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統合失調症という病気について3

医師 山本 康二

前回まで統合失調症について、どのような症状が出現してくるのかということを説明してきました。

第3回は、治療についてお話しさせていただきます。

1.実際にどんな治療がおこなわれているか?

症状に関しては前回に書いたように、変な声が聞こえたり、変な考えが出てきたり等の症状が複数出現することが多く、それらの症状によって、眠れなくなったり、気が立って興奮するようになったり、他の人には理解されにくい行動をしたりするようになることがあります。

これらの症状の治療として、

  1. 薬物による治療
  2. 精神療法による治療
  3. 休養
  4. 周囲の人たちの理解

などが挙げられます。

2.薬物による治療

この病気に関して、お薬というものは必要不可欠です。

主に使われるお薬としては、向精神薬といわれるものです。一般に、症状は脳の中のホルモンがたくさんになりすぎることによって引き起こされると考えられており、お薬はそのホルモンを調節することで症状を軽くするといわれています。お薬の名前はたくさんありますが、大まかに分ければ数種類程度です。

また最近の10年間で、以前のお薬より副作用が少ないものが幾つも使われるようになりました。ですから、現在のお薬を使った治療では以前にくらべて患者さんに負担になることが少なくなってきています。

一般的な向精神薬の副作用について説明します。

眠気やフラツキなどは見られることが多いようです。また、腸の動きを少し抑えてしまうため便秘になりやすくなります。体の筋肉をスムースに動かすための神経に影響が出た場合に、動きがゆっくりになる、手などに震えが出る、歩きにくくなるなどや、よだれが出やすくなるなどの症状がみられます。変わったものとして、足がムズムズしてじっとしていられないなどの症状もあります。

大事なことは、お薬は症状を抑えるためには必要不可欠ですが、いやな副作用が出た場合には医師にご相談ください。対処する方法はたくさんありますので心配し過ぎず、決して自分の判断だけでお薬を中断しないでください。

その他のお薬としては、

眠れない症状があれば睡眠導入剤を使用し、不安やイライラなどがあれば抗不安薬といわれる不安を軽くするお薬を使用することがあります。

また、先ほど説明したような副作用が出た場合、副作用を軽減するお薬もあります。足のムズムズがひどくなった場合、イライラなどもひどくなることがあるので気を付けて下さい。

お薬の説明は、少し難しくなりますので今回はこれくらいにしておきます。詳しくは医師にご相談下さい

次回は、精神療法などについてお話します。

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